【クヴェヴリ】おすすめジョージアワインと特徴、おつまみを紹介


いまや世界各国で生産されているワイン。そのルーツになるジョージアの「クヴェヴリ」と、おいしいワインにぴったりのおつまみを選ぶ方法をご紹介します。

目次

ジョージア伝統のワイン「クヴェヴリ」の味は?

Ryo
Ryoはタンクで醸造する一般的なワインが体質的に合わないのですが、このクヴェヴリはなぜか味わえるうれしいワインなのです(体質には個人差があります)

ブドウを皮や茎と一緒に醸造しているだけあって、野趣あふれ、ブドウそのもののフルーティーな味わいが楽しめます。果実感はしっかりあるのですが熟成した丸みのある風味で、渋みもちょうど良く食事にも合わせやすいワインです。

そのまま飲むほか、ちょっと贅沢ですが煮込み料理に使うことも。ブドウの果実感が豊かなので、たっぷり入れても料理の味がワインに偏りません。コクとブドウのさわやかなフルーツ感がほどよくプラスされます。

「クヴェヴリ」を実際に飲んでみた

クヴェヴリを実際に買ってみました!高価なクヴェヴリを買って万が一飲めないと後悔するので、まずはお試しでお手頃価格のクヴェヴリに。
“Chelti estate winery(チェルティ エステート ワイナリー)” の”Kisi Qvevri ” です。
お手頃価格ながら評価の高いワイナリーで、アメリカのワインショップでは「おすすめ高品質ワインセット」の中に入っているのも見かけます。

Ryo
よくある「赤」や「白」のワインではないので、味の見当がつきにくいですよね。

冷蔵庫で軽く冷やしていただきました。美しい琥珀色が印象的なワインです。
原料のブドウ品種は太古から栽培されてきた”kisi”。絶滅の危機に瀕した品種ですが、近年ふたたび栽培面積が徐々に広がってきました。収穫量が低く、栽培が難しいブドウです。

「辛口」とあるのですが、フルーツ感が豊かで洋ナシのようなニュアンスもあります。蜂蜜のような風味もあり、お酒が弱い方でも飲みやすいと思います。今回はジョージアのあるコーカサス地方で自然乾燥された干しブドウと、ありあわせのチーズでいただきました。どちらにもとてもよく合い、ハーモニーが楽しめるワインです。
鶏肉など白身の肉料理や、シーフードにも向いています。

ワインの始まりは「クヴェヴリ」から


ヨーロッパ各地の遺跡を旅すると、ワインにまつわる跡がたくさん見つかります。
ワインの貯蔵庫、ワインの壁画、ワインを入れる壺などなど。ワインの歴史はとても古そうですが、
実際に生まれたのは約8,000年前。黒海のほとりにあるジョージアが発祥だと言われており、
陶製の樽が見つかっています(ジョージアは以前グルジアと呼ばれていた国です)。


Ryo
8,000年前というと、日本では縄文時代のまっただ中。
古い歴史で知られるエジプトでも王朝の記録が見つかっていない時代。ずいぶん昔に生まれたのですね。

ジョージアの首都ティビリシ。近郊にもワイナリーが点在します。

クヴェヴリはユネスコ「世界遺産」のワイン

ジョージアの遺跡からは銀のワイン容器やワインを飲むための金のカップなどが出土しており、伝統的なワイン製法自体がUNESCOの世界遺産に登録されています。

ジョージアのカヘティ地方にはそのQvevri(クヴェヴリ)と呼ばれる伝統的なワイン製法が残っています。
クヴェヴリとは大きな甕(かめ)のこと。現代のワインは一般的にぶどうジュースを醸造しますが、クヴェヴリワインは蜜蝋を塗った大きなクヴェヴリを土に埋め、ぶどうを皮ごと、時には茎まで一緒に入れて醸造します。
現代の一般的なワイン醸造より管理が難しく大変手間のかかる製法で、以前は日本では入手困難でした。

現在ではジョージアが国を挙げてプロモーションを行ったり、クヴェヴリの魅力をワイン業者のかたがたが積極的に発信してきたこともあり、日本でもワイン専門店や通販などで比較的簡単に手に入るようになってきました。

ジョージアに残るクヴェヴリ(甕)

とくにジョージア東部、首都ティビリシ近郊にあるアラヴェルディ修道院は6世紀の創建と伝えられ、古くからクヴェヴリ製法のワイン造りで知られています。現在でも伝統製法のワインセラーとして有名で、ワイン専門家の間でも高い評価を得ています。

アラヴェルディ修道院

なお、ジョージアではいまでもワイン醸造が盛んですが、そのほとんどはぶどうジュースをタンクで発酵させる、現代的な醸造法です。ジョージアワイン=クヴェヴリ ではありません。クヴェヴリを探す際にはラベルにクヴェヴリ(大甕)のイラストや、”Qvevri” と表記があるものを探しましょう。

ジョージアワインに合うおつまみの選び方

ワインに合うおつまみを選ぶなら、国を問わずワインの生産地域で愛されている食べ物を選ぶのがまずはおすすめです。

ジョージアワインのクヴェヴリなら、最近大手パンメーカーが発売するなど、かなりメジャーになってきた「ハチャプリ」もおすすめ。地方や民族によっても形はさまざまですが、日本でも特によく見かけるのは、黒海沿岸でリゾート地としても人気がある、アジャラ地方のハチャプリです。

ボート型に作ったパン生地に、カッテージチーズ、ミックスチーズを乗せて焼き、ほどよく焦げ目がついたら卵とバターを乗せます。
食べるときは割ってしまうと中のチーズやバターが流れ出すので、へりをちぎって中の具材に浸していただきます。素朴な味わいの生地にとろとろのチーズ、卵黄、バターのコクと旨味が重なって素晴らしいハーモニーを奏でます。そこに冷やしたクヴェヴリがあれば、休日の昼下がりが最高の時間になること間違いなしです。

Ryo
小麦の甘みやチーズ、卵のうまみを引き出してくれるので、食事がよく進みます!夏の食欲がない時期、キンキンに冷やして飲むのもよさそうです。

スイーツ好きなら!ぶどうを使った伝統菓子「チュルチヘラ」

ジョージアといえば、人気なのが名物スイーツのチュルチヘラ。ブドウ果汁を煮詰めて甘みを凝縮したものに小麦やトウモロコシなどの穀物粉をまぜ、クルミなどの木の実にかけて乾燥させた保存のきくお菓子です。甘みや食味はさまざまですが、観光地化されていないワイナリーで作られたチュルチヘラは良質なぶどう果汁が使われているため味わいも深く、力強いジョージアのワインにもよく合うものがありおすすめです。

まとめ

今回はワインの知識入門編として、ジョージアワイン、クヴェヴリをご紹介しながらワインの歴史とおつまみの選び方をお伝えしました。ワインにも食べ物にもさまざまな産地がありますが、その土地の風土を感じ、景色を想像しながらワインやおつまみを選んでいただくと、おいしさもきっと引き立つと思います。

今回もご覧いただきありがとうございました。
ジョージアワインを試すきっかけになれば幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次