鹿児島みやげ「げたんは」【黒棒との違いは?おいしい?】

Ryo

元和菓子職人のグルメ食品バイヤーです。実際に食べて、家族にもすすめたい食品をご紹介する「プロからの口コミ」ブログです。

「あくまき」とならぶ鹿児島みやげとして近年知られるようになってきた「げたんは」。三角形が印象的な「げたんは」の味、カロリー、おすすめ度から黒棒との違い、歴史までこのページでわかります。


Ryo の自腹で評価

このブログではスイーツや人気食品を、プロが実際に食べて本音でレビューしています。

目次

「げたんは」はどんな味?

黒糖の濃厚な味わいが印象的なお菓子です。作り方はとてもシンプルで、おもに薄力粉と黒糖を混ぜ合わせた生地を重曹で膨らませ、黒糖の蜜にくぐらせて作ります。全体にふわっとして表面はしっとり、中にも黒糖の蜜が染みこんでいます。

膨らませた生地に十分に黒糖の蜜をしみこませることで、実際に黒糖の塊そのものを食べるよりも、蜜の濃厚な黒糖のミネラル感のある味わいがより強く感じられるお菓子です。

身体を動かした後で食べるとより美味しく感じられるコクのある甘さは、後で紹介するお菓子の由来にも関係しています。

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海外でも暑い地域ではとくに、こっくりと甘いお菓子や飲み物が好まれます。

「げたんは」ここが好き

黒糖の味わいを満喫できる

味は黒糖が濃厚!ふわっと、そして圧倒的に広がる黒糖の甘さは身体を動かして疲れた時などに最高です。
また生地はふわふわ食感で食べやすく、口どけもとてもよいのが特徴です。

舌に接する面積が広く、口どけもよいことで、黒糖の味わいを存分に楽しむことができるお菓子。
「こんなにたくさん食べられないな」と思っていても、食感の良さで気が付くと3個くらいはぺろりと食べてしまいます。

お値段がプチプラ

原材料がシンプルなため、おみやげにしてはプチプラになると思います。南海堂さんの「げたんは」は、1パック300円台が中心のようです(2023年現在)。

ご当地鹿児島ではスーパーでも販売されていて買いやすく、甘いものが大好きな人向けのおみやげにはぴったりのスイーツです。

鹿児島県外では鹿児島県が運営している物産ショップなどで見かけますが、取扱店そのものが少ないと思います。

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物産ショップに行く交通費を考えると、通販で買うのもおすすめです。

有名な割に食べた人が少ない

鹿児島のお土産といえばすぐに「げたんは」の名前があがるくらい、全国的に知られるようになったお菓子ですが、意外と鹿児島以外の地域ではほとんど売っていません。
「食べてみたいけど機会がない」人も多そう。「ちょっと興味があるので、みんなで分けて一切れ試してみたい」と思っている人もいそうです。
有名でもあまり食べられないものをお土産でわたすと、とても喜ばれそうです。

南海堂さんの「げたんは」原材料:
小麦粉(小麦(国産))、加工黒糖(さとうきび(国産))、粗糖、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、鶏卵、麦芽糖/ 膨張剤、着色料(カラメル)、(一部に卵・小麦を含む)

「げたんは」の気になる点

「げたんは」のカロリー

甘いお菓子はカロリーが気になるものです。今回ご紹介している写真のメーカー南海堂さんによると、栄養成分表示では100gあたり341キロカロリーとなっています。

カロリーが高そうなスイーツの代表格であるメロンパンのカロリーは、平均して1個80gで約300キロカロリー前後と言われているので、参考にしてみて下さい。

乾燥しやすい

もともとの「げたんは」は黒糖シロップにつけているので、しっとりとした食感が持ち味です。メーカーさんにもよるのですが、郷土菓子だけあってシンプルな包装であることが多く、一度開封すると乾燥しやすい宿命です。
美味しく食べるには早めの完食がおすすめですが、最近の「げたんは」のなかには個包装やサクサクタイプ、賞味期限が長めに設定されていることもあります。どのくらいの期間をかけて食べるかを想像して買うのがよいでしょう。

ひっついている

「げたんは」は生地を黒糖シロップにくぐらせて、そのまま容器に入れています。
しっとりした味わいが楽しめる分、どうしても「げたんは」同士がくっついてしまいますが、素朴な郷土菓子ですので、それも味わいの一つともいえるでしょう。また、気になる方には先ほどご紹介した個包装タイプもおすすめです。

名前は下駄から!?「げたんは」の由来

「げたんは」の名前の由来は泥に汚れた下駄の歯からきているということですが、どちらかといえば下駄の鼻緒にもみえますね。シンプルに「三角菓子」とも呼ばれていたようです。

「げたんは」の歴史

「げたんは」は鹿児島県の郷土菓子です。かつて霧島市横川町には金山や米の集荷地があり、そこに集まる人たちをもてなすために作られるようになったと言われています。

霧島市横川町は山あいの地域ですし、身体を使う仕事の人たちには、食べ応えのある甘さとミネラル分豊富な黒糖が味わえる「げたんは」はピッタリのお菓子だったと思います。

「黒棒」と「げたんは」の違いは?

「げたんは」とおなじく九州ではおなじみの「黒棒」も、材料や製法は「げたんは」とほぼ同じです。

「げたんは」が黒糖の蜜をくぐらせてしっとりさせて仕上げるのに対し、「黒棒」は現代ではオーブンで乾燥させて仕上げるため、サクサクとした食感になります。

九州に黒糖菓子が多いのはどうして?

江戸時代、鹿児島藩は当時の琉球や奄美地域から、年貢としてお米の代わりに黒糖を納めさせていました。当時黒糖は大変高価な食べ物。藩でサトウキビの生産と黒糖づくりを独占したため鹿児島藩の財政はうるおい、また鹿児島本土では黒糖を食べる食文化が広がりました。

黒糖をたっぷりと染み込ませた「げたんは」は、現在では素朴な郷土菓子にみえますが、昔の他の地域の人たちからみると、かなり高級なお菓子だったのかもしれません。

現在でも鹿児島県内の島しょ部では種子島で「ふるさと認証」を得た黒糖を生産していて、買うこともできます。

「げたんは」の本音レビュー

「げたんは」は鹿児島の歴史と温暖な気候から生まれた郷土菓子です。
甘さに好みがあるかと思いますが、鹿児島県内では気軽に手に入るお菓子です。ご当地の景色、気候の中で食べる郷土菓子はまた違った味わい。鹿児島に行かれる際には他の名物とあわせて、楽しんでみてください。

鹿児島お土産選びの参考にしていただければ幸いです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

バイヤーが実際に食べておすすめしたいスイーツをこちらで一挙ご紹介しています!

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