簡単メイン料理に!「アイスバイン」の食べ方とおすすめレシピ

Ryo

グルメ食品バイヤーのRyoです。ブログで家族にも勧めたい食品を紹介しています。


最近とくに人気の「アイスバイン」。ドイツの伝統料理です。アイスとついていますが、アイスクリームのことではありません。今回はアイスバインの味わい、おすすめ定番「つけあわせ」、シュバイネハクセとの違い、人気のレシピまでくわしく紹介します。

クリスマスには欠かせない、同じくドイツの「シュトーレン」もこちらでご紹介しています。

目次

「アイスバイン」とはなに?

アイスバインはドイツ語で、ただしくは”Eisbein” と書きます。ドイツ北東部、ベルリンの近郊で特に有名な、豚すね肉を煮込んで作る料理です。かたまり肉を何日も塩漬けにしたあとに、香味野菜や香辛料で数時間煮込んだもので、がっつりお肉のかたまり!のような見た目とうらはらに、さっぱりとしてお肉のうまみが味わえるのが魅力です。
日本の食品で味をたとえると、お醤油などを使っていない、少し塩っぱいチャーシューをイメージしてもらえればなんとなくわかっていただけるかと思います。

巨大なハムのようなアイスバインには骨付き、骨なしの2種類があります。日本では「本場ドイツのアイスバインは骨付きでないと!」という意見も聞きますが、実際にはドイツ現地でも、扱いやすい骨なしタイプのアイスバインも普通に人気です。使い勝手やお好みで選ぶのもアリだと思います。

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骨からお出汁が出る煮込み料理や、豪快にかぶりつきたい人には骨付きアイスバインがおすすめ!

日本のお歳暮などでもかたまりのハムを見かけますが、本来のドイツ産アイスバインはずっと大きく、最初の串刺しダイナミックアイスバイン画像のように、1キロ以上あるものが普通に販売されています。

「アイスバイン」の名前の由来

じつはアイスバインの語源には諸説あり、どれが正解かはよくわかっていません。

アイスバインの正しいつづり、”eisbein” は分けると”eis(氷)” “bein(脚)”になります。スケートのエッジに骨が使われていたことや、調理時に出るゼラチン質が氷のように見えるから、という説がよく聞かれますが、アイスバインそのものの特徴とは違うため、決定打にはなっていません。語源がわからないほど古くから親しまれてきた料理といえるかもしれませんね。

「アイスバイン」はどんな味

材料の豚すね肉は一般に脂肪が少なく、あっさりとヘルシーな部位です。もともと脂肪の少ない塩漬け肉を時間をかけて香草や香味野菜と一緒に煮込んだ料理なので、くせもほとんどなく、あっさりと食べやすい料理です。焼くのはもちろん煮込み料理にも使いやすいので、初めて挑戦するかたも安心してお料理できると思います。

お肉をそのまま焼いたものよりも食べやすいので、積極的にお肉をいただきたい方には普段のお料理にもおすすめです。また丸ごと調理してもとても華やかで、ホームパーティーのメニューにもぴったりです。

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あらかじめ火が通っているので、お料理初心者さんにも安心♪大きいので達成感もありますよ。

つけあわせは日本ではレアな「骨髄」

ヨーロッパでアイスバインと一緒に楽しまれている食品はなんと「骨髄」。
骨の真ん中に入っている柔らかい部分です。骨を焼くとトロトロとしたラードのようになるので、スプーンですくってライ麦パンに塗っていただきます。

肝心の味は、かなりコクがあり脂のような風味もしっかり感じられるペーストです。アイスバインのあっさりとした味わいとは対照的でラードにかなり近く、好き嫌いが分かれるかもしれません。

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ウニや白子、お肉ならカルビが好きな人にはたまらない味かな?

また、日本国内では手に入れることがなかなかむつかしい食材でもあります。よく行く精肉店などにお願いすれば、取り置きしてもらえるかもしれません。家で切るのは相当大変なので、あらかじめ骨髄を切ってもらうのを忘れずに!

「アイスバイン」のおすすめレシピ

調理済みのお肉なので、アイスバインはいわば下ごしらえが済んだ食材のようなもの。ボリュームは大きいですがソーセージと同じように気軽にアレンジして味わえます。ここではアイスバインのおすすめレシピをご紹介します。

そのままで

すでに加工されているお肉なので、もちろんそのままでも、ハムのように美味しくいただけます。お好きな厚さにスライスしてどうぞ。
付け合わせは、「ザワークラウト(キャベツの漬物)」「マッシュポテト」「粒マスタード」が相性抜群。少しアレンジするなら、スライスしてカイザーロールなどのドイツパンにレタスと一緒に挟んだり、フライパンで軽く焼いてハムステーキのように加熱するのがおすすめです。この記事の最初の写真のように、BBQで豪快に串刺して丸焼きにすればとっても盛り上がります!

ポトフ・アイントプフにして食べる(おすすめ!)

アイスバインの旨味を目いっぱい引き出して味わうなら、ポトフ・アイントプフ(ドイツ風野菜スープ)にするのがベスト。ポトフ(フランス語:Pot-au-feu )は“火にかかった鍋” のこと。ドイツ語ではアイントプフ(Eintopf) “お鍋一つ料理” のような意味で、アイスバインやスペアリブ、野菜、豆などを鍋で煮込んだスープのことです。

ソーセージのかわりにアイスバインを使うと、たっぷりのお肉や骨から旨味が溶け出して、じんわりとした旨味が広がるスープになります。また、スープではありますが具だくさんで主役になれるボリュームなので、ポトフにライ麦パンなどを添えるだけで、うまみも栄養もたっぷりのお食事の完成です。


【材料】
アイスバイン
タイム、ローリエ、パセリの茎など香味野菜
カブ
ニンジン
インゲン
ブロッコリー
レンズ豆
じゃがいも
ほか、お好みや旬の野菜

ブイヨン
(お好みで)トマト缶

【作り方】
それぞれ一口大に切ったじゃがいも以外の野菜をバターで炒め、水洗いしたレンズ豆を加えます。
お鍋にブイヨンを水で溶かしたものを流し込み、タイム、ローリエ、パセリの茎を加えて、沸騰させます。

その後弱火で20分ほど煮込んで野菜に火が通ったら、ハーブを取り出し、じゃがいもを入れてさらに10分ほど煮込みます。

その後、アイスバインを入れ、再び優しく加熱します。
具材全体から味が染み出しているので、かならず味見をして仕上げます。
仕上げの味付けはお好みで、塩、コショウ、白ワインビネガーなどで味を調えます。

ドイツでも地方によって味付けはさまざま。コンソメ味やトマトベースなどお好みでOKです。シンプルながらも、深みのある一品が完成します。バターを塗ったライ麦パンスライスを添えてどうぞ。

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骨付きアイスバインは圧力鍋で煮込めば、時短で骨から旨味も出て一石二鳥です。


ビール・ワインとの相性抜群なアイスバインおつまみ シュバイネハクセ風

ドイツといえば、ドイツワイン(赤ワイン・白ワイン)やドイツビールが有名です。繊細な風味のドイツワインやずっしりとコクがあり飲みごたえのあるドイツビール。そのお供にはもちろん、同じドイツ料理のアイスバインがぴったりです。

アイスバインのほかには、ドイツで有名なソーセージも合いますよ。本場のドイツビールとスパイシーなアイスバイン。さらに、ビアソーセージなどもつけると豪華&贅沢なドイツ料理が楽しめます。

シュバイネハクセ(ドイツ語:Schweinehaxe) とは、豚のすね肉をハーブと一緒に煮込んだ後、ロースト(焼く・炙る)した料理のこと。アイスバインと並び、伝統的なドイツの家庭料理として知られています。

同じ部位のお肉を使ったアイスバイン。最初にお肉を塩漬けにしているのがシュバイネハクセとの違いです。アイスバインもオーブンなどで表面を焼けば、表面のカリカリ香ばしい食感がビールやワインによく合うシュバイネハクセ風になります。お肉のうまみがそのまま閉じ込められるので、煮込みとはちがったジューシーさが味わえますよ。付け合わせにはフライドポテトやザワークラウトがよく合います。

アイスバインの通販

現在(2023年7月)ドイツ産のアイスバインは検疫の関係で手に入らない状況のため、販売されているのはほとんどが国産のアイスバインになります。
店頭販売されているお店はあまりないので、通販で入手するのがおすすめです。有名メーカーや個人レストランなど多彩な通販で販売されていますが、なるべく添加物が少なく、ほどよい大きさのものがおすすめ。商品紹介ページの内容もきちんとした通販で選ぶのがおすすめです。

こちらのアイスバインはドイツ料理専門店が調理しており、つけあわせに、これもなかなか市販されていないザワークラウトもついています。あとはパンやビールがあれば豪華なお食事が楽しめるセットになっていて、クリスマスなどにも手軽です。

アイスバインはみんなにおすすめ

見た目はとても「ごつい」アイスバインですが、味はどちらかというとあっさり淡白で、しかもジューシーです。
そのままでもアレンジレシピでも簡単においしくいただけるので、小さいお子様からご年配の方まで、世代を問わず楽しんでいただけます。ホームパーティーや家族BBQにもおすすめです。ネット通販で国産のアイスバインは比較的簡単に手に入るので、機会があれば試してみてください。

この記事がアイスバインを知るきっかけになりますように。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!

こちらではドイツをより深く知るヒント、「シュトーレン」を詳しくご紹介しています。

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